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ブックレビュー「後宮の百花輪」

こんにちは。ツマとオットとキャットのブログ、つもっとキャットです。

Audibleにはまりまして、通勤中に聞いています。運転しながらなのであまり負荷のかからないものを選んだ結果が、今回紹介する「後宮の百花輪」です。5巻まで聞き終わりました。

音でしか内容を理解していないので、人名などはカタカナ表記ですがご容赦ください。

 

 

百花輪の儀。それは華信国の一領四州よりそれぞれの代表となる貴妃を後宮に迎え、皇帝よりもっとも寵愛を受けた一人が次期皇后に選ばれる儀式だ。後宮に憧れる武術家の娘・明羽は、拳法と“声詠み”の力を駆使し、北狼州代表の來梨姫の侍女として後宮入りするが、二人は数々の事件に巻き込まれて!? 絢爛豪華な中華後宮譚、開幕!

双葉社

 

いわゆる後宮バトルロワイヤル。ラノベですかね。主人公は5人いる貴妃のうちのひとりの侍女です。強い女の人は好きです。実戦経験が少ないとはいえ、戦える女です。メイウがね。貴妃のライリのほうは1巻では正直何の役にも立たない負け皇妃と呼ばれていました。

単なる女同士のドロドロの嫌がらせかと思ったら、策をめぐらせて相手を嵌める、頭脳派の戦いでした。みんな自分の出身地の誇りと責任を持っていて、それぞれの強みや個性があります。4人もいたらだれがだれやらわからなくなるのでは?なんて不安は消し飛びました。ホンファとシンシャが特に好きです。特にホンファのほうは策略とかほとんど考えていなくて、ストレートにかっこいい。シンシャは実家の太さに頼るだけ…ではなくて本人の賢さも併せ持つ一方で、何でも金で解決させようとするのもそこまで行くと逆に清々しいわ!って感じ。フテンを金で買おうとするとか、悪い冗談だし実行したしやばすぎる。裏で手を回したり駆け引きも得意ですが、性根が悪いわけではないんですよね。なんだか憎めない人でした。

2巻からはライリの本気度が変わって、もどかしさも軽減してきます。それでもシンシャには散々脳みそお花畑と言われましたが…。でもお花畑に見える中にちゃんとライリの信念が生まれてきました。ライリの戦いの話というより、成長の話ですね。皇后になったあとは、「お花畑に見えるけど実は何でも気がついているから結構怖い皇后」なんて思われそう。

 

貴妃VS貴妃のまま終わるのではなく、5巻で一気に話が広がります。広がるんですが、その内容はちょっといまいちでしたね。これなら女同士の戦いだけで終わってくれていて良かったかも。

ソウイ将軍が知った建国時の嘘が拍子抜けなのはまあいいとして、それを知ってなんで国をぶっ壊して皇位を得ようと思ったのかよくわからず。策士のようだし、嘘を知らなくても結局似たようなことをやったのでは?

 

通勤中だけでなく家でも聞き進めてしまうくらいには続きが気になる話でしたが、2回目はないかな。話はおもしろいけれど、文章が嫌。ギョクヨウのことを「天女の生まれ変わりといわれ~」とか、皇帝のことは「朴訥とした~」とか。実際はこんな一言ではなく3文か4文の定型文があります。同じ表現がコピペされて何度も何度も何度も出てきて、読む分には適当に読み飛ばせるんでしょうが、聞くのではタイミング良く飛ばすこともできないのでうんざりしました。1冊の中で一度ずつならまだしも、何度でも出てきます。もうちょっと言葉を変えて巧みに表せないものか。

あとはやたらめったら「美しい」が多いですね。確か貴妃の衣装や装飾品について使われることが多かったと思いますが、何でもかんでも最終的にはとにかく「美しい」。語彙力とは…。

文章と言えば、最後に耳についたのが世継ぎ争いの話で出てきた「8人の皇太子」。初めてこの話題が出たときもそうだったか覚えていませんが、5巻ではこう言っていました。…皇太子、8人もいたらおかしいでしょ。1人死ぬたびに立太子の儀をしていたとでも?明らかに「8人の皇子」の間違いです。

Audibleなのでナレーションの話もしておくと、低めの女性の声で、メイウの強さが引き立つ素敵な声でした。リオウの落ち着いた声もちょうど良かったし、皇帝の声は地味すぎましたがそれはそれであの皇帝らしかったと言えます。しかし3巻か4巻あたりから妙に滑舌が悪くなり(「~なのだろうか」が特にひどい)、5巻は明らかに鼻声でした。5巻の声しか知らなければ何とも思わなかったかもしれませんが、ぶっ通しで続けて聞いていたので一目瞭然でした。

そういうわけで、一度目は早く続きを知りたくて通勤が楽しみなくらいでしたが、二度目はありません。

 

貴妃ならホンファとシンシャが好きですが、それ以外だとハクビが好きです。ときどき物目線で喋っていたり、聡明かと思えば笑えない冗談を言ったり、何かと味の濃いキャラクターです。ハクビ目線でのスピンオフがあったら、読むか聞くかしてみたいなあ。

最後に、これを言ったら元も子もないんですが、これって無事に皇后の座を勝ち取っても後妻じゃないですか。シンシャとかギョクヨウみたいな利益重視の人は良いとして、ライリとハイレイのように皇帝に恋心を持つ人にはそんなんでいいのか…?ライリなんて初恋の相手が結婚して10年(だっけ?)も経っていて、子供ができないから後釜を探しまーすなんて言われて一生懸命になっちゃうってどういう心境?10年以上経ってもライリの恋心が消えていないのは微笑ましいけれど…。こんなことを考えてしまうツマのほうが、きっと後宮譚に向いていないのでしょう。

 

 

余談ですが、AudibleはKindleや紙の本と違って月額1500円を払えば聴き放題なので、おもしろいかどうかわからない本をちょっと囓ってみたり、今回のように一度聞ければそれで良いと思ってしまう本に向いているなと思いました。作品を気に入りすぎると、結局活字で読みたくなってKindleか何かで買ってしまいそう(笑)

 

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